会社を表す商標についての4つのタイプの会社、御社はどのタイプですか?

商標出願

 

会社を表す商標

会社を表す商標と致しましては、
(1)会社名そのもの、
(2)会社名の略称、
(3)会社のロゴ、
(4)会社名の略称と会社のロゴを結合したもの、
(5)会社のキャッチフレーズ、
(6)会社のイメージキャラクタ又はマスコットキャラクタ、
(7)コマーシャルで用いる音楽又はセリフなどの音声、
(8)コマーシャルで用いる動くロゴ、
(9)その他、
があります。

ここで、上記(1)の一例ですが、「トヨタ自動車株式会社」は、登録第2666249号として登録商標になっています。

(1)の会社名に焦点を絞り説明をします

会社を創業するにあたり、会社名を決めるためには、下記の法律に留意する必要があります。会社名を変更する場合も同様です。
(A)商業登記法
(B)会社法
(C)不正競争防止法
(D)商標法

具体的に見ますと次の通りとなります。

(A)商業登記法
第27条
商号の登記は、その商号が他人の既に登記した商号と同一であり、かつ、その営業所(会社にあつては、本店。以下この条において同じ。)の所在場所が当該他人の商号の登記に係る営業所の所在場所と同一であるときは、することができない。

(B)会社法
第8条
一 何人も、不正の目的をもって、他の会社であると誤認されるおそれのある名称又は商号を使用してはならない。

(C)不正競争防止法
第2条 この法律において「不正競争」とは、次に掲げるものをいう。
一 他人の商品等表示(人の業務に係る氏名、商号、商標、標章、商品の容器若しくは包装その他の商品又は営業を表示するものをいう。以下同じ。)として需要者の間に広く認識されているものと同一若しくは類似の商品等表示を使用し、又はその商品等表示を使用した商品を譲渡し、引き渡し、譲渡若しくは引渡しのために展示し、輸出し、輸入し、若しくは電気通信回線を通じて提供して、他人の商品又は営業と混同を生じさせる行為
二 自己の商品等表示として他人の著名な商品等表示と同一若しくは類似のものを使用し、又はその商品等表示を使用した商品を譲渡し、引き渡し、譲渡若しくは引渡しのために展示し、輸出し、輸入し、若しくは電気通信回線を通じて提供する行為

(D)商標法
第25条 商標権者は、指定商品又は指定役務について登録商標の使用をする権利を専有する。ただし、その商標権について専用使用権を設定したときは、専用使用権者がその登録商標の使用をする権利を専有する範囲については、この限りでない。

第37条 次に掲げる行為は、当該商標権又は専用使用権を侵害するものとみなす。
一 指定商品若しくは指定役務についての登録商標に類似する商標の使用又は指定商品若しくは指定役務に類似する商品若しくは役務についての登録商標若しくはこれに類似する商標の使用

第26条 商標権の効力は、次に掲げる商標(他の商標の一部となつているものを含む。)には、及ばない。
一 自己の肖像又は自己の氏名若しくは名称若しくは著名な雅号、芸名若しくは筆名若しくはこれらの著名な略称を普通に用いられる方法で表示する商標

簡単に説明をすると
(A)同一の所在場所にある他人の商号と同一な会社名であってはいけない。
(B)不正の目的をもって他の会社であると誤認させる会社名であってはいけない。
(C)不正競争防止法でいう「商品等表示」に留意しなければならない。
(D)他人の商標権に留意しなければならない。
の4点に留意する必要があります。

特に(D)についての説明をします

事例となりますが、最近「オフィスxxx株式会社」という社名の会社Aが、「オフィスxxx」の商標的使用に関し、或る会社Dから、その会社Dの名称ではなくその会社DのサービスSについての登録商標Rを侵害しているとしてクレームをつけられているということです。
会社Aは、おそらくは、社名を変更する必要性に迫られるでしょう。
会社Dから登録商標Rの使用権を受けるという選択肢もありますが、その実現性については推測できません。

結論から言うと、
(あ)会社Aは、社名を決める際に、社名が同一又は類似の業者の登録商標と同一又は類似でないことを確認する必要がありました。
これは、例えば、「〇〇〇株式会社」が「〇〇〇」を商標的に使用する場合が十分にあり得るからです。

(い)上記(あ)で同一又は類似であることを知ることができたならば、社名を前もって変更する必要がありました。
これにより、他者の商標権の侵害を予め避けることができました。

(う)変更前であるにせよ変更後であるにせよ、他者の登録商標と同一又は類似でないことが確認できたならば、社名「〇〇〇株式会社」又は社名の略称「〇〇〇」を登録商標にしておく必要がありました。
これにより、事後的に他社の商標権を侵害することになる可能性をなくすことができます。

次に、タイプA、タイプB、タイプC、タイプDの会社に分類してこの説明をします。

タイプA

(A)同一の所在場所にある他人の商号と同一な会社名であってはいけない。
のみに留意する会社
⇒ 一度は、登記できても(B)、(C)、(D)に留意していないため、会社法、不正競争防止法、商標法により会社名を使えなくなる可能性を持ち続けることになります。

タイプB

(A)同一の所在場所にある他人の商号と同一な会社名であってはいけない。
(B)不正の目的をもって他の会社であると誤認させる会社名であってはいけない。
のみに留意する会社
⇒ 一度は、登記できても(C)、(D)に留意していないため、不正競争防止法、商標法により会社名を使えなくなる可能性を持ち続けることになります。

タイプC

(A)不正の目的をもって他の会社であると誤認させる会社名であってはいけない。
(B)同一の所在場所にある他人の商号と同一な会社名であってはいけない。
(C)不正競争防止法でいう「商品等表示」に留意しなければならない。
のみに留意する会社
⇒ 一度は、登記できても(D)に留意していないため、商標法により会社名を使えなくなる可能性を持ち続けることになります。

タイプD

(A)不正の目的をもって他の会社であると誤認させる会社名であってはいけない。
(B)同一の所在場所にある他人の商号と同一な会社名であってはいけない。
(C)不正競争防止法でいう「商品等表示」に留意しなければならない。
(D)他人の商標権に留意しなければならない。
の全てに留意する会社
⇒ 商標法により会社名を使えなくなる可能性をなくすことができます。

会社名を登録商標にするためには、同一又は類似の商品・サービスについて同一又は類似の登録商標がないことが1つの条件として必要になります。

これは、出願前の調査により確認することができます。

また、特許庁の審査官もそれを確認した上で、登録商標にしてもよいという登録査定を出します。

従いまして、自社の会社名又は略称を登録商標にできたということは、裏を返せば、他人の登録商標に係る商標権を侵害していない蓋然性が高いということになります。

従って、他人から将来的に商標権を侵害しているというクレームをつけられる可能性を相当減らしておくことができます。

また、不正競争防止法に関連した部分についてですが、商標法第4条第1項第10号乃至第15号をクリアしていますので、不正競争防止法が事後的に適用される可能性は相当低くなります。

形式的にタイプCの会社を上記リストに挙げましたが、商標法に留意せず、不正競争防止法に留意するというケースは殆どないと思われます。

不正競争防止法に留意するならば商標法にも留意することが通常であるあるからです。

ここで、他人の商標権に留意することは、単に、現在において、他人の商標権を侵害していないことに留意することではありません。

将来的にも他人の商標権を侵害しないことに留意することも含みます。

まとめ

将来的に他人の商標権を侵害しないようにするためには、前もって、自社の社名やその略称を自社の登録商標にしておく必要があります。

仮に、そうしないでおくと、将来になって、他者により自社の社名やその略称について登録商標を取られてしまい、それを侵害してしまうことになる可能性が生じます。

前から自社が使っていましたと主張することができそうに思えるかもしれませんが、使用主義ではなく登録主義という主義を採用している日本の商標法の下ではなかなかその主張を通すことは簡単にはできません。

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